縄文のすごさ

雑記

奥松島縄文村歴史資料館へ立ち寄った。
縄文時代といえば、たて穴式住居である。
漢字で書くと、竪穴式住居。

縦穴式住居だと思っていたのは秘密である。

敷地には何故か歯科もあったが、皆ひっくるめて竪穴式住居チックなデザインの建物となっていた。

 

入場料は400円。
一般的な資料館としては安い。
しかし、正直なところ、縄文時代など全くもって興味はないので、入るか少々迷う。

が、全く興味のないところこそ、新たな発見の多い場所でもある。
と、自分に言い聞かせて入場することにした。

庭には、よくわからんオブジェがいくつかある。

「縄文の貴婦人」という作品

 

「奥松島の海の音を聞きながら思った。
縄文の女性は、きっと思慮深く牧歌的で 献身的だったろうと」
とある。

なかなかな妄想だ。

 

そう!とにかく、縄文時代については未だによくわかっていないことが多いので、妄想好きにはたまらない時代なのである(かなりの偏見)。

そもそも縄文時代の「始まり」と「終わり」からして確定していない。
そして、その長さは7000年とも14000年とも言われる。
なんというアバウトさ!!
そして「中国3000年の歴史!」などという言葉が薄っぺらく感じるほどの長さである。

そりゃ妄想も膨らむわ。

資料館に入ると、いきなり頭蓋骨がお出迎えしてくれる。

縄文人は前歯を抜く風習があったのだという。

「縄文人」と“ひとくくり”にしているが、ここの地方だけの風習ちゃうん?とも思って調べてみると、関東や関東以西においても抜歯された縄文人が発見されているらしい。
こんな大昔から全国的?な風習があったというのは驚きである。

 

次の頭蓋骨の説明には
「硬いものを一生懸命食べてたので、奥歯が磨り減ってます」とある。
確かにすごい磨り減り様で、歯が真っ平らになっている。
神経まで行ってそうな勢いだ。

縄文人にとっては、食事も楽なものではなかったのだ。
現代に生まれてよかったと思った瞬間である。

 

しかし、それほど歯を酷使する食事をしていたというのに、なぜ前歯を抜歯するのか?
何を考えていたのだ、縄文人よ。

「森の中の狩猟」「木の実の採取」というボタンのある装置があった。
ボタンを押すと映像が流れる博物館によくある装置だ。

マニアックな解説を期待したが、無声寸劇が流れるのみであった。
何が楽しゅうて、縄文人のコスプレした人の寸劇を見なければいけないのか。

 

そうこうしていると、係りの人が「縄文ムービー放映しますよ~」と言うので、見ることにした。
資料館には自分ひとりだけだったため、事実上、わざわざ自分のために放映してくれるのを無碍にすることができなかった。というのが本音である。

 

ムービーの内容は、この地で出土した縄文人の一生を勝手に妄想した物語である。
この縄文人にはアテナイという仮名がつけられ、物語は進んでいく。
はじめ、あえて縄文人チックな名前をつけたのかと思ったのだが、その子供の名前は「ゲン」という至極普通の名だった。

妄想が膨らみすぎたのか、「海でサメと戦って死んだ」とか、突っ込みどころ満載のムービーに仕上がっている。

 

以上、総括すると

縄文時代とは、好きなように妄想できる時代

そんなことがわかった博物館でした。