ニホンカワウソ絶滅に思う

雑記

先日、ニホンカワウソ「絶滅種」に指定された。

前回、哺乳類が絶滅種に指定されたのは平成3年の「ニホンオオカミ」「エゾオオカミ」なのだそうな。

特に「ニホンオオカミ」は、かつて相当数いたようだが、狂犬病まん延後、駆除が進んで、明治38年に奈良県で捕獲されたのを最後に生息が確認されておらず、絶滅したと考えられている。

 

その最後の個体が捕獲された地を訪れた。

奈良県の山奥、県道16号沿いにそれはある。

高見川のすぐそばで、山に囲まれており、かなり自然が豊かだ。
最後のオオカミが見つかった場所というのも納得。

 

「狼は滅び木霊は存(ながら)ふる」という句の書かれた石碑がある。

表面的な意味しか解らない無学な人間としては、是非解説が欲しいところだ。

 

最後のオオカミとなった若雄をイメージした銅像が凛と立っている。

夕方というのもあってか、物悲しい感じがする。

 

土台の裏には説明書きがあって、

「ニホンオオカミの生存にかすかな夢を託して雄姿を像にとどめ、ひろく自然の愛護を希い・・・」

と書いてあった。

 

近年、害獣被害は深刻さを増している。

そうしたなか、外国産オオカミを山に放とう!と本気で提言をする人達がいる。

その代表格が日本オオカミ協会だ。

彼らは言う

「失われた生態系の回復は、われわれ人間の責務」
「食物連鎖の頂点に立つ捕食者オオカミの再導入によって、均衡のとれた生態系を復元しよう!」

と。

一度失われた種を他種で代用することなど可能なのであろうか。

それこそ人間のエゴではないのか。

 

天皇陛下行業跡やら小川城跡やらを一緒くたにして、この場にねじ込む小川村の力強さに感服しつつ、この地を後にしたのであった。