白華現象をご存知であろうか。
セメントの成分である水酸化カルシウムが表面に染み出し、炭酸カルシウムとなって結晶化する現象である。
街中で見かける↓このような白い汚れがそれだ。
この白華現象が起こると、せっかくのエレガントなタイルが一気にみすぼらしく見えてしまう。
発生するのは主に目地部分であるが、タイルについた目地材をしっかりふき取っていないと、タイル表面も白っぽくなってしまう。
先日、延長したタイルデッキのタイルがまさにそれで、とても見た目が悪くて困る。
白華現象で生じる炭酸カルシウムは、アルカリ性のため、塩酸によって中和が可能。
化学式で書くと↓こうだ。
CaCO3+2HCl→CaCl2+H2O+CO2↑
反応後にできるCaCl2(塩化カルシウム)は水に溶けやすいので、キレイに水で洗い流せるという原理である。
この原理を用いたエフロ除去剤なるモノがホームセンターなどで売られている。
エフロ(エフロレッセンス)とはタイルの白華現象により生じた炭酸カルシウムのことである。
しかし単価が高く、今回のように広範囲を処理したい場合は出費が痛い。。。
そこで、塩酸そのものを購入してる買うことを検討する。
塩酸は危険な薬剤のイメージがあるが、濃度10%以下の希塩酸であれば簡単にネット購入することができる。
でも、塩酸はもっとお得に入手できる。
サンポールである。
サンポールの濃度は9.5%
希塩酸濃度ギリギリの高い濃度であり、それでいて希塩酸の半値以下で購入することができる。
下手に希塩酸を買うより断然お得なのだ。
さすが庶民の味方サンポール。
さっそく洗浄に取り掛かる。
まず最初は目立たないところで試す。
希塩酸といえども、タイルによっては変色してしまったりすることがあるらしいのだ。
結果、今回の場合は特に問題はなかった。
サンポールと言えば、小学校の頃の便所掃除を思い出すが、便所の床タイルに直接かけてデッキブラシしてたな・・なんてことを思い出してたら、だんだん大胆になってきて最終的には豪快にスチールタワシでゴシゴシした(;^ω^)
さすがに、手荒く扱いすぎかな・・・とも思ったけど案外何ともなかった。
とはいえ、タイルによっては傷つく恐れもあるので、まずは目立たないところで試すのが鉄則であろう。
作業していると、少しずつコツがわかってきた。
まとめると、、、
まずはサンポールをかけ、反応が進むまで放置する。泡が盛んに発生しているのは、反応が進んでいる証拠である。
泡が出なくなったら水で洗い流す。目立つ汚れはタワシやブラシでゴシゴシ!!
以上である。
白華現象でお悩みのあなたもぜひ!
ちなみに、同じ原理で貝の表面を溶かすことも可能。
アワビなど真珠層を持つ貝の表面を溶かして↓こんなモノを作ることもできます。
ただし、貝殻の厚さが均等でないため、丁寧にハケで塩酸を塗るなどの細やかな作業が必要。
「貝殻 溶かす」とかで検索すれば、いろんな人が作成に取り組んでいるので、作ってみたい人はぜひ!
ちなみにこの貝殻は、10年ほど前に作ったモノ。
透明のウレタンスプレーを吹けば、光沢が出てより良いだろうけど、そこまでやる事もなく今に至る(;^ω^)
ただし、貝殻溶かし作業の場合、10%程度の塩酸では作業がはかどらない。
地道にチマチマ溶かす方が、結果的には美しい仕上がりとなるのであろうが、忍耐力の欠如した私のような人間には耐えがたい作業となる。
てことで、短気な人は濃塩酸を使って一気に溶かしつつ、細かなところは希塩酸で溶かすというスタイルがオススメです。
ただし、濃塩酸は揮発性が高く危険な薬品。劇物扱いとなりネット購入できないので、もし試す場合は薬局での購入が必要になります。